インドのバザール

私のふるさと、インドのデリーのお話をしたいと思います。


デリーは皆さんもご存知の通り、インドの首都です。ここにはインド各州から人々が集まってきます。南はケーララ州やタミルナードゥ州、北はパンジャーブ州にカシミール州、そして東のベンガル州やシッキム、メガラヤなど、本当に全土から人が集まります。「インドの宗教と食文化」でもお話したように、それぞれに違った生活習慣・食文化を持っていますから、デリーには各地の料理を食べさせるレストランがあるのです。

食事だけではありません。宗教も様々です。
インドの多数を占めるヒンドゥー教にもいろいろな宗派があります。皆さんも目にしたことがあるかと思いますが、猿の神様・ハヌマーンや青い顔の神様・シヴァなどが、それぞれ違った宗派ということになります。この「インド料理 ガネーシュ」の名前にもなった象の頭のガネーシュ神は、とても人気のある神様なんですよ。
その宗派の違いや地域によって、祈り方、マントラ(お経でしょうか)やアラティ(真言でしょうか)がそれぞれ違います。これは日本の仏教などでも言えることですね。
もちろんヒンドゥー教だけではなく、イスラム教、スィク教、ジャイナ教、仏教、キリスト教・・・たくさんの違った宗教を信仰する人達が集まってくるわけです。

このように様々な宗教・宗派の人達が集まるデリーには、ちょっと面白いお寺があるのですよ。ニューデリー中心のコンノートプレイスより更に南にある、ロータス・テンプル(正式名・バハイ ハウス オブ ワーシップ)というのがそうです。
ロータステンプルという名の通り、はすの花を模した外観のこのお寺はどんな宗教の人が行っても良いのです。宗教・宗派を問わず、神様に祈りを捧げたいと思う人は誰でも入ることができます。
日本に流れるインドのニュースといえばとりわけ宗教対立のことが多いのですが、ロータス・テンプルのようにお互いを尊重しあって共存しようという考え方があるのも事実です。

さて、デリーの街並みはどんなものかと言うと、それもまた多様なのです。
もちろん首都ですから政府機関、官庁などが集まっています。これらはイギリス統治下の時代に作られたそうで、イギリス・ビクトリア調を思わせる重厚な建物も多いですね。
デリーにはニューデリーとオールドデリーという2つの街があります。
ニューデリーはコンノートプレイスという放射線状に作られた町並みを中心に、オフィスビルやホテルなどが立ち並ぶ、まさに新しい街です。ビジネスマンが闊歩し、ファーストフード店では若い人達がハンバーガーを片手に話に花を咲かせるなんていう、日本でもよくある光景が見られるんですよ。ショッピングアーケードには世界的に有名な洋服のブランド店がたくさんありますし、本屋さんも洋書を扱う店が多くて、皆さんが考えてらっしゃるインドらしさはあまり無いかもしれませんね。

しかしオールドデリーのほうは12世紀頃にイスラム教の王朝が作られた頃の町並みを今に残していて、イスラム様式の大変に美しい建物がたくさんあります。歴史的にも非常に重要な建造物・ラールキラーというお城や、ジャマー・マスジッド(イスラム教のモスク)、そしてガンジーのお墓なんかもあるのです。
町は非常に庶民的で、大きな建物は先に書いたような歴史的建造物などがほとんどです。リクシャーという、自転車の後ろに座席をつけた自転車タクシーのような乗り物やタンガーという馬車などがたくさん走り、牛も堂々と道を歩いています。このリクシャーという乗り物の名前、日本語の「人力車」が由来ではないか、という説もあるそうですよ。面白いですね。
とにかくオールドデリーはニューデリーと違って、本当に下町といった雰囲気です。
チャンドニー・チョウクという、古くからの商店街もオールドデリーにはあります。ここはとにかくいろんなものを売っていて、とても楽しいところですよ。私がこのホームページの写真で着用しているインドの男性用民族服「クルタ」などを作ってくれるお店もたくさんあります。インドへ行った時にはお1つ作ってみてはいかがですか?

チャンドニー・チョウクのお話が出たところで、インドのバザールをご紹介しましょう。バザールというのはご存知のとおり、市場の意味です。
インドのバザールの商品を見ると、ほとんどのものに値段がついていないのです。ですから必ず交渉する必要があります。よく大きなおばさんが店主相手に大きな声で値段を言っているのを見かけますが、これはバザールでは本当によく見かける光景です。インド人同士でもちゃんと交渉をしないと良い買い物は出来ないんですよ。交渉次第では半分以下の値段になることもあるのですから、気は抜けませんね。
交渉の仕方も人によって様々ですが、一軒で決めないほうが良いですね。何軒か聞いてまわって「隣の店は○○ルピーだったよ」なんて言えば少しずつ下がっていきます。それを繰り返して自分の納得いく値段に下げるわけです。とても根気のいる事ですが、インドではそれが当たり前なのです。そして買い物の楽しみのひとつでもあるわけです。
でもホテルのショッピングアーケードやコンノートプレイスにあるような高級店、それにレストランなどでは値切ろうなんて思わないでくださいね。こういったお店は日本と同じで値切ることは出来ません。

インドのバザールは食品だけのバザール、調理器具や真鍮製品だけのバザール、布製品だけのバザールなどに分かれていることが多いんですよ。泥棒市なんていう物騒な名前のついたバザールもあります。
それらを見て歩くのは本当に楽しくて、時間が経つのを忘れてしまうんです。
今回、デリーのバザールの写真を撮ってきましたので皆さんにご紹介しようと思います。ゆっくり見ていってくださいね。

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